カテゴリ:制作に関して/雑感( 24 )
屋号でもなく作家名でもなく
ホームページ や Facebookページ で「北の葛布/札幌手稲」という文字を タイトルのように入れています
屋号のようですが 屋号ではありません
ただ、北海道で織られた葛布であるということ 手稲に工房があること その事実を表記しているだけ のつもりです
葛布の産地は静岡/遠州地方であり、札幌には元々はなかった布だけれども、札幌に自生する葛から布が織られているということを 文字に表し分かりやすくしたいと思っているのが その理由
屋号はありません
葛布の存在そのものが 屋号みたいなものかもしれません

「自然布に作家名なし」とは、私の葛布の師匠である大井川葛布の村井さんの言葉、私もとても共感します。織り手は最終段階の作業を以って物を完成させますが、そこに至るまで、今昔に関わらず、そして人と人でないとに関わらず、様々な力が働いている訳なので、織り手だけのものではない
ただ北海道の土地柄、便宜上、きっと多くの方にとって分かりやすいのと、「最終的には誰がどこでどのように作っているものなのか?」が分かるということが、ものを選ぶときの判断材料になると考えているのと、品物に関するご感想やご意見ご相談など お寄せ頂けるようにと 名前は明らかにしています
そのようなことから、織ったものを「作品」ということや、自分のことを「作家」と名乗るのはためらいがあり  でも、その方が分かりやすい場合はそう言うこともありますし、受け取る側の方がそう感じるのであれば 必要に応じて そう表記してくださることは全く構いません
また、屋号のようなものが必要な時には「北の葛布」と表記してくださることも、全く構いません

言葉や名前は とても大事と思いますので 私は大事に考えていて 自分の織る葛の布を「葛布」と呼ぶことも、自分なりに納得するまで 長い年月 かかりました
なんといいますか、草木の布は その土地あってのものだからです
でも、全国各地どこででも例えば葛布を織る人がうんと増えれば、そんな事を考えずとも何のためらいもなく「陶芸家」「木工家」のように「葛布作家」と言えるのかもしれませんし、そうなる事が、葛布の存続発展には必要な事なのかもしれません

今後考えが変わることもあるかもしれませんが、今は このように考えています



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by watanabeshino | 2018-01-15 16:25 | 制作に関して/雑感 | Comments(2)
本日仕事始め
2018.01.03
本日仕事始め

小屋のような自宅内には外壁以外の壁がないので、仕事と家事はいつも同時進行ではありますが
一応 意識の上では今日を仕事始めとしました

今年の課題は
・作業内容を見直し、効率良く制作できるようにすること
・やることを厳選し、一つのことに集中すること

なんといいますか、命の限りを意識しています
私の生きている間、それがあと5年か、10年か、20年か、50年か、分かりませんが
なるべく長生きできるように 体を大事にしますが
いづれにしても、どうしたって私は必ず死ぬのですから、それまでに、できる事は限られる
とすると、絶対に外せないものに 意識を集中する必要があり、それ以外の事に使っている時間は無いということに気付きました
やるべきこと、歩くラインが一本 とてもシンプルです
同時に、これまでいかに あれもこれもと、道から逸れた事に時間を割き 意識が分散してしまっていたか
我ながらチトがっかりとしました
まぁ、それも必要な過程だったのか

「葛の帯」を仕事としていく
結果、「葛布」や「着物」「手織り」そのもの、またはそれを取り巻く人や諸々に貢献できる
そうしたことを 目指したいと思います


初詣は、手稲山山頂にある手稲神社奥宮に行きたかったですが あいにくのお天気でしたので
裏山山頂へ

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手稲神社奥宮はまた 天気の良い日の楽しみに
今年も幸多き年になりますように
どうぞよろしくお願いいたします







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by watanabeshino | 2018-01-03 18:00 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
葛布っぽくないね
こちらのブログでは一言もお知らせしておりませんでした
今年の10月に3年越しの念願叶って長野へ行ってきました

目的の一つは公募展入選できての表彰式参加
 第46回特別展「第10回現代手織物クラフト公募展」


展示していただいていたのはこちらの帯
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目的のもう一つは木曽駒ケ岳に登る
写真は千畳敷カール中腹よりロープウェイ山頂駅とホテル方面
あいにくの天気でしたが道外の3000メートル級の山に登ったのは初めてでしたので満足
景色は想像力で見てきました
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織物と山のために、着物と山道具を持って行く
私の全てを持ち歩いたような旅でした
空港で「貴重品は入っていませんか」と聞かれたときに、入っているのは私にとっては全部貴重品だったので、「貴重品って何ですか」と聞いてしまったくらいです


さてここからが本題なのですが
その展示会の講評で、審査員の方に「葛布っぽくないね」というような言葉をいただき、それがとても印象的だったのでここに残しておこうと思います
もっと違う言い方だったかもしれません。でも恐らくは、「これまで見たことのあるどの葛布とも違う」という意味なのだと私は受け止めています

葛布の産地静岡の葛と北海道の葛はその性質が違います
気候も土地も違うのですから当たり前です
静岡の葛は雪に埋もれることはありませんが北海道の葛は一年のうち約半分は雪の下、物理的に雪に閉ざされるので太陽に当たる率もうんと低い上に、緯度も高いので真夏の日光の強さも気温も違います。また、芽吹いてから花を咲かせるまでの期間は1〜2ヶ月違い、土の成分も微生物も多分違う。そこで生き抜くための何かしらを備えた蔓の中の繊維の様子が、そうでない地域と違うのは当然のこと。さらに言えば、発酵させるときの微生物も違うでしょうし、繊維を洗い流す川の水の性質も違う。繊維となってから、保管されているときの温度や湿度も違います。
加えて、織り機などの道具の違う中で、「この葛を、その美しさをなるべく損なわずに、着物の帯として用に耐えうるものにするにはどうしたら良いか」またはそれ以前に「札幌の気候の中でより良い繊維を取るにはどうしたら良いか」を考えながら、経糸の太さや風合い、形状、材質、経糸緯糸の密度、葛の糸の太さ、などを思考錯誤した結果、
「葛布っぽくない」ものが出来上がった

本来の、と言っていいかどうかわかりませんが、葛布の「葛布らしさ」を無視しているわけではもちろんありません。むしろ私なりに知りうる限り大いに参考にし、大いに真似をしてきました。しかし、葛の糸の良さが生き美しく永く残っている、古い時代の葛布の持つ、その迫力や美しさには、到底敵うわけもなく、また、現在静岡で織られている葛布のしなやかさや光沢と、土地と歴史に根ざしたような、それらに裏打ちされたような、気迫気概のようなもの、それらにも全く及びません。だからといって、それに対抗しようとして独自のものを作ろうと思って作ったわけでもありません。北海道の葛で北海道の気候で、着物の帯として、より良いものにしようと右往左往した結果、「そうなってしまった」と言うのが適当です

少し話が逸れますが、「服地として使いたい」というお問い合わせを有難くもいただくことがたまにあるのですが、しかし、そうなると、上記一連の試行錯誤を一からやり直すことになってしまうので、私はとても躊躇します。希望される方が結構多いようなので、やってみようと思っていたこともあったのですが、諦めることにしました。帯の試行錯誤で精一杯。多分できない。
私一人ではできないのですが、けれども、例えば同じように、北海道の葛で「服地としての葛布」を思考錯誤していく方が、もしかしたら現れるかもしれないな、なんてことを夢見ながら、そんな風に、これから、長い年月かかってでも、北海道の葛布が育っていきながら残っていったら良いな、その足がかりになれるように、と思いつつ


今年一番の言葉は「葛布っぽくないね」

ということで、年末のご挨拶に代えたいと思います
今年一年、本当にたくさんの方の応援支援を頂きました
ありがとうございました
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします


(おまけ)
木曽駒ケ岳の山頂神社
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天気のせいで荒涼としています。この日(2017.10.19)、初雪だったようです
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駒ヶ根や伊那の街中を、何とは無しに流れている側溝のような川の水の綺麗なこと
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発つ前、天気を調べると、札幌と気温があまり変わらなかったので不思議だったのですが、この街自体が日本アルプスに囲まれていて標高がすでに1000メートルあると知って納得
札幌で言えば、手稲山の山頂くらいの高さです
冬はもちろん寒く、積雪量も多いのだそうです


登山の後、伊那紬の工房を訪ねることもできました
素晴らしい旅でした
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by watanabeshino | 2017-12-24 09:51 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
価値の転換
単なる高級品 嗜好品 贅沢品 ではなく
社会が持続可能な方向に向かっていることや
アレルギー や 過敏症 などの解決への糸口
といった切り口が
手織りのものや自然の布、そしてそうした布を無駄なく永く使える仕組みを持っている和服にも あると思う
近い将来 ガラリと
そうした価値の転換が起こる気もする

手織りだから良いとか 自然のものだから良いとか そういう 自動的で直結的で偏った思考ゆえのことではなく
草木染めだって 何かの金属を使っていれば 金属アレルギーのある人には向かないかもしれない訳だし

どういったものを使って誰がどこでどう作っているかが明確であることが大切で
それを踏まえて 判断するのは 買う側使う側

これまでも そういうことは考えていたが
その事を裏付けるかのように 実際に そういう問い合わせを頂くようになりました

とても切実な話
自分に害のないものは 今はとても少ないのに でも そうしたものを選ばないと 生きるのが大変なのだから



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by watanabeshino | 2017-11-30 09:34 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
等間隔なようで等間隔でなく
縞や格子を織る際には必ず同じ間隔には「しません」。ほんの少しだけ、左右上下にブレさせます。また、左端と右端や、始めとと終わりも、大抵は違う色や柄にします。
等間隔なようで等間隔ではなく、移ろうのは常、そういうのがとても人間くさいと思うし、不均一な葛の糸にもしっくり馴染むと思うからです。「何だか懐かしい」とか「ホッとする」という感想を頂くことがたまにあるのですが、それはきっとそういう理由なのだと思っています。

角帯地
キナ(kina/草)
を織った経糸の余分ぶんで織っている卓布

展示前のラストの作品
ギリギリ 急げ

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by watanabeshino | 2017-04-27 15:56 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
糸の強度の確かめ
葛の繊維から布になるまで、特にその強度のチェックを3度しています。誰に教わったということではなく、自然とそうなりました。

1度目は葛苧(くずお・繊維の状態)を裂く時
2度目は績む(裂いた葛苧の端と端を結ぶ)時
3度目は織る時

写真は糸を績んでいるところ。左側が裂いた葛苧で右の茶櫃に入っているのが長い糸になった葛の繊維です。

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葛の糸は地に生えていた時の状態によって質が均一ではなく、強い弱い、硬い柔らかい、いろいろです。私はあえてそれらを分けることはしていませんが、布にした時に後々弊害が出そうなくらいに不都合なものはやはり避けています。また、おそらく葉の根元にあたる部分などだと思いますが極端に部分的に切れやすくなっているところもあり、そういう場合は切って結び直しています。
そうしたチェック&補強を、繊維から布になる間に3度、しています。

葛の糸には撚りをかけていません。これは遠州地方に古くから伝わる方法です。葛の糸の特徴である光沢をより美しく出すために、実用面での強度を多少犠牲にしたのではないか、とは織元がおっしゃっていた言葉なのですが、葛の糸に撚りをかけるとそれは絹糸と見紛う程に綺麗ですし糸もとても強くなりますが、葛の糸の面白さや特長が失われてしまう、と私も思います。ですので、不本意な破損のないように、糸の強度には少し神経質になります。


北海道における葛布の帯は、といったって今の所は私しか織っていないのですが、まだまだ作る人と使う人が共に育てていく段階だと感じています。もちろん、だからといって不確かなものを作っている、という訳ではありません。葛布の帯自体は古くからあったようですし、衣服として利用されてきた古い歴史もありますし、現在静岡の数件の織元でも葛布の帯は生産されています。しかし、それほど多くの人が使っているわけではありませんしそう多く売られているわけでもありません。ましてや、北海道産の葛の繊維のものは私の織ったもの数本以外はまだ世に出ていません。ですから、見たことがない、という人が大半で、ゆえに、耐久性や使い方、扱い方に不安を抱く方も多いと思いますし、使う人の使い方によっては色々の予想外の違いが出てくることもあり得ます。

葛布の帯をお使いの方、特に私の織った葛の帯をお使いの方とは、長く長く関係を保って、扱い方をお知らせしたり、いろいろの長所短所を伝えていただきながら、不具合があればその都度相談しながら改善しながら、共に歩んでいきたいと、今、葛の糸を作りながら、そんなイメージを抱いています。

私の織った葛の帯が手元にある方で、もしも気が向きましたら、ご一報いただき、使い心地やご感想などお聞かせいただけましたら幸いです。また、何かの不具合がありましたら、ご相談に応じたいと思います。











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by watanabeshino | 2017-01-25 14:41 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
染料は薬
これも、これも、薬になるのだと知りました。

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(どちらも、無農薬無化学肥料のものを選んでいます)

タマネギの皮の方は、当たり前ですが染料にする時と同じ色、同じ匂いでしたから、体の中が黄色くなるのではないかと飲むのに若干躊躇しましたが、肺を整える作用があるというので飲みましたら、何と良く効くのでビックリしました。息をする度にゼロゼロいったり肺の痛いのが本当に治るのです。

プラセボ効果も多いにあるのかもしれません。でも実際調子が良くなるのですからそれに越した事はない。世のほとんどの薬だってそんなものかもしれません。

「服薬」という言葉の由来について、もとは薬効のある草木の抽出液で染めた「服」を身につけたり皮膚に当てたりする事だったという説を、あちこちで耳にします。改めて、その言葉いかにもと感じ入ります。薬にもなる抽出液で染めた布を纏う事で、皮膚との間に何かしらの物質のやりとりがあってもおかしくはなく、それによって心身が癒されるという事は多いにあると思います。

医者にかかるまでもない細かな不調にきちんと気づき、手軽で気軽で副作用もないこうした行為で治す、をやっていれば、きっと大病には至らないのでしょう。

いつも何気なく食べているものでも一つ一つに役目がある、それを意識して食べるか何となく食べるか、毎日の食事ですからその積み重ねは後々大きな違いになるのだと思います。

私がいつも使っている染料の中にも、定説として薬効のあるものがあります。そうした事も意識しながら染め織りたいと思いました。

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by watanabeshino | 2017-01-12 11:59 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
麻について
今年のじょじょさんでの展示で印象的だったのは、「葛は麻とはどう違うのですか」「これは麻ですか」といった類の質問をした方が複数人いらっしゃったことでした。

大麻、黄麻、亜麻、苧麻、赤麻

すべて「麻」の漢字があてられているので、とても紛らわしいのですが、これらは全て違う植物で、苧麻と赤麻はイラクサ科という同じグループに属する植物ですが他は科目までも違う、全く別の植物です。もちろん、その繊維の様子や布も違います。

私もそう詳しいわけではなく断片的な認識ではありますが、日本語の変遷上、綿以外の植物繊維を全て「麻」と言ってしまった経緯があるそうで、今や日常生活ではそれらを使い分ける必然性もなく、きっとその言葉の意味は漠然としか存在していない。だから、どうも植物らしい葛の繊維を前にして、自分の中の語彙を辿って探り当てた「麻」、しかし自分の知っている麻とは結びつかない、何だろう?となって、質問してくださったのですね。

言葉が失われるとその背景にある多くのものも失われる。何気なく使う言葉の積み重ねは、結果としてなかなかに恐ろしいものにもなりうるのだなぁと、感じ入ります。

多様なものは多様なままでいて欲しいと願う。

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チビ葛布の壁飾り


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by watanabeshino | 2016-11-26 08:15 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
時を経て尚美しく
この布は、角帯として1年半くらい前に織ったものです。柔らかすぎたので、センチごと切り売りしようかと思っていたのですが、止めました。

というのも、先日のじょじょ展で展示していた際に、「帯として充分使える 切ってしまうなんてもったいない」と言ってくださった方がおられ、少し自信をつけた私は、展示後、水を通しアイロンをかけましたら、何というか、何とも言えぬ、時を経た分の何かが宿った風で、最初の頃の雰囲気とは違い、固く締まりながらも、何かしっとりと良い感じになっているのです。水を通した事で多少の歪みが出ましたが、それもまた何か良い雰囲気で。これを切って細切れにしてしまうのは確かにもったいない。時を経るごとに風合いが変わり馴染んでくるのは、自然布の特徴でもあります。

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普段に着物を着るようになって、帯は頼りないほど柔らかくても全く問題ないどころかかえってとても楽だということが分かったことも、これはこれで帯として充分活用できると思う気持ちを後押ししました。

柔らかく軽いので、体に全く負担なく、着物を支えてくれます。葛布というと夏のものと思いがちですが、木綿や紬の着物になら、一年中つけても違和感ないようにも思います。

普段の着物にヘビーに使ってもらって、破損したら、直したり葛布の小さな布でアップリケしたりして、長く永く使ってもらえたら嬉しい。

そう考えると、何だかとてもロマンのある布にも見えて来ました。何といいますか、織り上がった時点で既に私の手は離れている感覚があります。葛布のこうした特徴は、葛と絹の良さであり、きっと最初から既に私の作品ではないのです。ゆえに、私は恥ずかしげもなく、まるで他人の作ったもののように、良いものを良いと言っています。

詳細はこちらにあります。
http://kitanokuzu.exblog.jp/22246548/


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by watanabeshino | 2016-11-20 11:57 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
北海道に暮らす青
今年の藍は色が出すぎて濃く染まりすぎて、贅沢にもホトホト困っていたのですが、ちょっとした加減を覚えたこともあり、建ててから4ヶ月が経とうとしている今、やっとこの色が出て来ました。

灰がかった、薄い
雪の影の、雪雲のある空の灰暗い、吹雪の向こうに潜む灰色の、雪国の青。

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私は、色も土地の影響を受けるものと考えています。その土地で取れた色、その土地に暮らす色は、その土地に暮らす人にとって、もっとも心地よい。

藍染の濃い青は確かに綺麗ですが、しかし、私には目に強すぎる。温暖湿潤な土地にはきっと似合う、でも、北海道の土地には、どうもあまり馴染まないのではないかと思います。

奇しくも、先日、北海道に自生していた青の染料になる「エゾタイセイ」も、こんなような薄い青に染まると聞いてやはりと思いました。
また、伊達の蒅を灰汁で建てると、鮮やかな青は出ず、こんなような青しか出なくて、それは、きっとその土地に生きる藍だからこその色なのではないかと思っています。

私は、北海道に暮らす青、北海道に暮らす色を、出していきたいと思っています。

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by watanabeshino | 2016-11-18 08:30 | 制作に関して/雑感 | Comments(4)



織/葛の糸と葛の布
by 雪草