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北海道に暮らす青
今年の藍は色が出すぎて濃く染まりすぎて、贅沢にもホトホト困っていたのですが、ちょっとした加減を覚えたこともあり、建ててから4ヶ月が経とうとしている今、やっとこの色が出て来ました。

灰がかった、薄い
雪の影の、雪雲のある空の灰暗い、吹雪の向こうに潜む灰色の、雪国の青。

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私は、色も土地の影響を受けるものと考えています。その土地で取れた色、その土地に暮らす色は、その土地に暮らす人にとって、もっとも心地よい。

藍染の濃い青は確かに綺麗ですが、しかし、私には目に強すぎる。温暖湿潤な土地にはきっと似合う、でも、北海道の土地には、どうもあまり馴染まないのではないかと思います。

奇しくも、先日、北海道に自生していた青の染料になる「エゾタイセイ」も、こんなような薄い青に染まると聞いてやはりと思いました。
また、伊達の蒅を灰汁で建てると、鮮やかな青は出ず、こんなような青しか出なくて、それは、きっとその土地に生きる藍だからこその色なのではないかと思っています。

私は、北海道に暮らす青、北海道に暮らす色を、出していきたいと思っています。

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by watanabeshino | 2016-11-18 08:30 | 制作に関して/雑感 | Comments(4)
北海道に暮らす青
私は多分形より色にどうも傾倒するようで、組織織りにいかず平織りで色の組み合わせを試すべく糸を染めるようになったのはそういう訳なのだろうと思います。

そうして、色だけに「色々」やってきて、どうも北海道に暮らす人々は青が好きなのだなぁと最近感じています。北海道には比較的古くから根付いている藍染めがあるからか、しかしそれを知ると知らずとに関わらず、どうも、藍の色が、心地良く優しく入っていくようです。

ですが、それはいわゆる日本的な藍染の色ではなく、ちょっと灰がかった青とか、薄い青とか、たとえばこんな感じの色(写真)。藍染でも、いわゆる「藍染」の濃い色より、うっすら青い色の方が、好きという方が多いようです。

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この色、雪かもしれないと思います。
雪の色は、光の量や水分の含有量によって、灰〜水色に変わる。それから、どんより鉛色の雪雲と春が近い真っ青な空。吹雪の時の目の前の真っ白と、その向こう奥深くにある灰色の青。それらのグラデーションが、きっと心の奥深くにどっしりと根を張っているのではないか。

そういうのこそが、伝統と言えるのかもしれません。思えば、暑い地域の染めや織りの衣服は、それはもちろん素晴らしいものではありますが、そのまま北海道に持ってきても、あまり映えない。どこか浮いてしまったり、何だか馴染まないなぁと、違和感が残る。やはり土地のものは、その土地で、活き映えるのだと思います。

写真は木枠の織り機による栞です。
染めは伊達の蒅、灰汁建てによる。白い部分は葛の生成。

もちろん私も漏れずこの雪の青が大好きです。

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by watanabeshino | 2015-11-09 15:01 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
7月末から仕込んでいた藍
藍を建て直すことにしました。
藍が建たないと言った私を(いや藍を)心配して下さった方からアドバイスをいただき、まずは一週間、すくもを沈殿させるため、何もせず寝かせておきました。

そして一週間目の昨日、様子を見るのに開けると、匂いが、変わっている。今思うと、一週間蓋を開けていなかったのだからそりゃ匂いだって変わるだろうと思うのですが、なにを血迷ったか、これはもしや建った藍の香りじゃないかという考えが頭をよぎり、せっかく一週間寝かせたのに、かき混ぜてしまいました。
今日もやはり建つ気配はなく、また始めからやり直しです。

今や薬品を使って簡単に藍染は出来るので、何も考えなければ手軽なそれでいいのかもしれない。しかし、葛を発酵させて糸を取り布を織っているというのに、染めは薬品を使うというのは、全くもって自分の中で整合性が取れないし、弟子入りした訳でも長い間師匠についた訳でもない私にとって、自分を律する事の出来る存在は対象そのもの、葛であり藍であり、織り上がった布であり、それを使って評価してくださる方々であるわけなのです。そこで、まぁいいや、でやってしまうと、全てがおそろかになってしまう怖さがあります。

まだまだ何を成し遂げた訳でもありませんので偉そうな事は言えませんが、原点となる心意気というのはとても大事だと思っています。生半可な事をしてはいけないと、葛や藍に、正されている感じがします。



写真は庭の藍。またきっと種つける前に雪降ってしまうだろうな。

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by watanabeshino | 2015-09-03 18:18 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
藍について
今灰汁発酵藍染を習いに行っている北区の藍染振興会では何故か藍を四国から購入しているそうで、今年は販売元で在庫がなく余分に買うことが出来なかったとおっしゃっていた。北海道なのに伊達の藍を購入しない理由は何なのか、聞かなかったが何故だろう?
 藍からすくもを作るすくも師が、全国でも4、5人しかいないうちのお1人が伊達にいらっしゃる。先ほど伊達の藍を販売してくれているところに私の必要分を注文がてら尋ねてみると、四国では藍の栽培を止めてしまったところがあり、その影響で、伊達の方にも割とまとまった量での注文が来ているのだそうだ。そういう訳で北区の藍染振興会でも必要量購入が叶わなかったのだ。伊達では生産がなくなることは今のところはないとのことだったので少しホッとする。


 生計が成り立たないものは消えていくのが世の常とはいったって、生計が成り立たない理由は何なのか?私は手作業のものに機械大量生産と、価格や生産量や流通の仕組みなどほぼ全てに渡って同じ原理を当てはめてしまってそれがジョーシキだと誰もが疑っていないところと、そもそも人が生きていく上で必要な「お金」の感覚が横並びで皆同じになってしまっているところに、深い深い根っこがあると考えているが、今の今でそんなこと言ってもすぐに解決する訳ではない。
 まずは、藍を、知って使ってね。

 写真は何故か2年目で発芽したうちの庭の藍。庭のあちこちから出ている。向こうに見えるは葛の室。寒いからうまく発酵するかどうか心配。

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by watanabeshino | 2015-06-11 10:19 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
藍・灰汁発酵建て
藍染めの講習を受けている。札幌市北区の、何と区民センターの敷地内にある藍染工房で。教えてくれるのは篠路天然藍染振興会のみなさん。灰汁発酵建てによる藍染めをこんなに近所で習うことができるなんて何てラッキーな。しかも、建て方だけかと思っていたら、板締め、絞り、ろうけつ、型染め、といった一通りの染め方も教わることができる。全10回。やっぱり、どんなに資料を読みあさったって、我流でやるのとは大違い。昨年私がえらく時間をかけてやっと出した「消えない泡」が、講習2回目・藍の仕込みの第一段階の今日ですでにタップリしっかり出ていたから驚いた。熟練した方たちがこんなに身近にいらっしゃったとは、なんとも素晴らしいことです。しかし建物老朽化により取り壊しだけが決まっていて、藍染工房の行き先は決まっていないのだそう。そういうことにはお金でも場所でも建物でもいいので提供してください札幌市(北区?)。藍は北海道とも札幌市とも大変所縁のある植物です。
 北海道の、新しい染織文化の礎が各地に散らばっていると感じる昨今、移動さえクリアできれば、北海道を出ずとも染織に関する一通りの技術を学ぶことは既に可能なのかもしれない。


 写真は型染め用に切った型紙。招き猫と打出の小槌。商売繁盛!楽しみだ。

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by watanabeshino | 2015-06-05 15:50 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
藍建てについて
諦めていた藍が建ってきた。伊達のすくもに、うちの薪ストーブの灰(しかも1年もの)で作った灰汁と日本酒、それにちょっとだけ消石灰。

仕込んだのが8月12日。実にまる2ヶ月。よくもまぁ毎日飽きもせず撹拌していたもんだ、我ながら、と書きたい所だが、ここのところ少しさぼっていた。定説では「藍が建つまでは一日4~5回撹拌」「建ってからは朝晩の2回」ということらしいので、最初の頃は一日4~5回、そりゃ頑張った。
しかし、日々の様子は微妙に違えど大きな差はなく、ましてや青くなんて全然ならなかった。次第に回数が減り、近頃は1日1回、それでも1日1回はさぼらずにやっていたが、そろそろもうダメか、しかし中で生きている藍の胞子を想うと、踏ん切りがつかなかった。

でももう冬になるし、申し訳ないけど化学建てで藍を無理矢理出してしまおうか、と思っていた矢先、「ヤメて~それだけはヤメて~ここまで頑張ったんだから最後まで面倒見て~」と言わんばかりに、青い色が出て来たのです。匂いも変わって来た。泡の様子も違って来た。木綿の布を染めてみると微かに青い。
室温20℃前後、すくもの量250g、灰汁の量5リットルでも2ヶ月経て藍は建ちました。



「藍建てには25~30℃の温度が必要」「毎日朝晩の撹拌」「発酵させる為のある程度まとまった量」
私の調べた範囲では、これらは藍を建てる時の一般的な方法のようです。
でも今回はこれのどれにも当てはまりませんが、藍は建ちました。

よって、上の「定説」は、あくまでも「人間」の「都合の良いように」藍を建てるための方法のうちの「ひとつ」であって、そうあらねばならないと言う訳ではないのかもしれないというのが今回の私の結論です。だって一つの藍甕が建つのに2ヶ月もかかっていたり、いつ建つのか分からなかったり、していたら、大抵の場合は商売になりません。「効率よく」「予定が立ちやすいように」試行錯誤した結果が、上記の「定説」なのだろうと思います。なので、それ自体は脈々と受け継がれてきた大変価値のあるもので、私などがどうこう言えるものでもない。

でも、「生き物」は、置かれた環境に適応していく能力があると私は思っています。いや、思っている、というより信じている、と言った方が近いかな。北海道の地、「気温が低い」「湿度が低い」そして私の都合で「量が少ない」そうした環境の中で、藍は、恐らく、ゆっくりゆっくり体を適応させながら、発酵を進めていた。私は、他の腐敗菌などがあまり猛威を振るわないように、石灰を足したり、お酒を足したり、かき混ぜたり、なるべく私の都合の良いように発酵してもらおうと努力した。その二つの力が合わさって、青の色が出て来たのではないか。

ぬか漬けは冷蔵庫に入れた場合、発酵のスピードが遅いのであまりかき混ぜる必要がないのだそうだ。実際その事を知ってから大変美味しいぬか漬けが出来るようになった。藍もきっと同じなのかもしれない。あまり撹拌せずにいた方が、発酵は進みやすかったのかもしれない。

結論
・温度が低ければ時間が必要
・焦らずじっと待つ
・そしてこの後、発酵した藍を持続させるにはどうしたら良いのか分からない。

(2014年10月10日記:ブログ移行につき転載)

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今年は習いに行こうと思います。


(後日談)
毎年夏に藍を建て、各方面の方々のご意見や実践を少しばかり知った後に分かったのは、この時に藍が建ったようになったのは藍自体の作用による「発酵」ではなく、藍樽に加えた「日本酒」や「水飴」の作用で「還元」が起こったために、青い色が出た、ということのようです。ですから正確には「発酵建て」ではなく、灰汁のアルカリと日本酒と水飴による還元建て、となるかもしれません。この場合は、染めた直後〜1年くらいは色移りがしやすいですが、数年経つと落ち着き、色移りはしなくなります。
(2016年夏 記)

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by watanabeshino | 2015-04-07 10:11 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)



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