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直す
葛の緯糸が切れているのを見つけました。糸を作る段階、織る段階、の二段階で、強度を確かめ切れない事を確認し、弱いものは使わなかったり弱い部分は糸を作り直したりしながら織っていくのですが、それでも、筬を打ち込んだ衝撃で切れてしまうことがたまにあります。大抵はその都度気付きますが、今回はかなり進んでしまいました。

さて、ここまで戻り織り直すという選択肢もあろうかと思いますが、大分進んでしまったこともあり、戻りませんでした。戻って織るのと、針と葛の糸で補修するのと、出来栄えも強度も変わらないので、そうしました。
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葛の糸自体、均一ではないので、こうした、いわば「傷」とも言えるものを包み込んでくれる大らかさがあります。甘えてはいけないのかもしれない。でも、そうしたことを許さない雰囲気よりも、ちょっとしたミスは包み込んでくれる大らかさが滲み出ているものの方が、見る人も使う人も、何かホッとするのではないかと思うのは奢りでしょうか。見た目の均一さに闇雲にこだわるのではなく、その素材の良さが充分に出ているかどうか、実用としてはどうか、という部分に誠実に、こだわりを持ちたいと思う。

ちょっとのミスで人命が危険に晒されるというなら話は別ですが、そこまでシビアじゃない事を幸いに、そんな事を考えます。

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大変歴史のある布、現代まで残っているのにはやはり理由があります。ひとたび布になればもちろんそう簡単に切れるものではないということもその一つだと思います。しかし、もしかすると、湿度や温度などの関係で、使っているうちに切れたり、5年、10年といった経年使用により磨耗したり、するかもしれません。ご自分で補修しながら使って頂くのも味となり面白いと思いますが、なにぶん草の繊維の糸で、一つ一つ状態が違いますし、使う方の使い方も千差万別。どんな状態でそうなったのかを私としても知って行きたいですし、それを今後の制作に活かしていきたいので、私の織った葛布を手にされた方で、何か不都合があったときにはぜひともご一報頂きたいと思います。可能であれば、補修します。

帯のみならず、小さな葛布のシリーズでも、気兼ねなくご連絡ください。





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by watanabeshino | 2015-12-20 22:36 | お知らせ | Comments(0)
葛の小さな栞
木枠の機で葛の小さな栞を一日一本を目標に織っています。仕上げまで含めて2時間かかってしまうのでもう少しスピードを上げたいところですが、やっているうちに色々試したくなって、余計な事をするのでますます時間がかかります。

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しかしこの栞、大変具合が良いです。
帯を織るための試し織りになるばかりでなく、帯を織った時に出る、どうしようもない半端な糸と、葛の糸を作る時に出る、糸にできない葛の繊維を、ほぼ全て使い切る事が出来るのです。要するに、織物をしている過程で捨てる部分をほとんど出さずに、ほぼ全てを活用出来るのです。

例えばこんな半端な糸や繊維。
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「残り物には福がある」という言葉がありますが、どうもその元々の意味は、「半端に残ったものの活用を知恵を出して考えた結果、思いもよらぬ良いものが出来る」というような事だったのではないかと、近頃思います。思えば、今や逆に高価にすらなっている、絹糸のキビソ糸やビス糸、紬や刺し子なども廃品利用の知恵の結果です。パッチワークやポジャギもきっとそうですね。

とにかく、ものを作る過程で、なるべく捨てるものは出したくないと思っています。勿体無い、地球環境への配慮、といったことより以前に、それが出来るまでの過程や、自分か他人かを問わずその労力を思うと、使えないからと簡単には捨てられないのです。

使っている木枠の織り機です。
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by watanabeshino | 2015-10-27 11:51 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)



織/葛の糸と葛の布
by 雪草