葛の小さな栞
木枠の機で葛の小さな栞を一日一本を目標に織っています。仕上げまで含めて2時間かかってしまうのでもう少しスピードを上げたいところですが、やっているうちに色々試したくなって、余計な事をするのでますます時間がかかります。

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しかしこの栞、大変具合が良いです。
帯を織るための試し織りになるばかりでなく、帯を織った時に出る、どうしようもない半端な糸と、葛の糸を作る時に出る、糸にできない葛の繊維を、ほぼ全て使い切る事が出来るのです。要するに、織物をしている過程で捨てる部分をほとんど出さずに、ほぼ全てを活用出来るのです。

例えばこんな半端な糸や繊維。
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「残り物には福がある」という言葉がありますが、どうもその元々の意味は、「半端に残ったものの活用を知恵を出して考えた結果、思いもよらぬ良いものが出来る」というような事だったのではないかと、近頃思います。思えば、今や逆に高価にすらなっている、絹糸のキビソ糸やビス糸、紬や刺し子なども廃品利用の知恵の結果です。パッチワークやポジャギもきっとそうですね。

とにかく、ものを作る過程で、なるべく捨てるものは出したくないと思っています。勿体無い、地球環境への配慮、といったことより以前に、それが出来るまでの過程や、自分か他人かを問わずその労力を思うと、使えないからと簡単には捨てられないのです。

使っている木枠の織り機です。
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# by watanabeshino | 2015-10-27 11:51 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
八寸帯地/オイカラ
オイカラ(oykar/葛)
八寸帯地

秋に咲く葛の花の色。
葛という名の葛布の帯です。
経糸は柔らかい生糸を使っていますが密度を細かくしたので薄いながらもしっかりとした手触りです。

31.5cm × 531cm
183g

緯糸 葛
経糸 絹生糸
染め 蓬、茜

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お太鼓の裏は表とは違う色。
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前帯部分は少しずらすと違う柄が表れる。
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ちょうど葛の花が咲き始める、夏〜秋の初め頃に締めるのに良い色合いかと思います。


こちらの帯は良いご縁をいただきました。
誠にありがとうございました。
お気付きの点などありましたらお尋ねください。
持ち主様の着物の暮らしを末長く彩りますように。


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# by watanabeshino | 2015-10-20 13:04 | 葛の帯 | Comments(0)
展示会/じょじょのお知らせ
今回は帯も展示する予定ですが小物や素材の展示がメインになると思います。
江別で亜麻布を織っている小野田由美さんの作品や素材も展示します。
そんなに品数は多くないですが、その分じっくり見てもらえたらと思います。
二つの北海道の布、じょじょのやさしいご飯・お茶のお供に、お楽しみください。

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# by watanabeshino | 2015-09-05 14:42 | お知らせ | Comments(0)
川を想う
積丹半島某所で川に寄ってきました。これまて見た事のない、信じがたい程に綺麗な川でした。

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 まるで陸のように石が鮮明に見えます。ここは水の流れがあまりないところなのですが、それでも淀まず。

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 こんなところで葛を洗ってみたいなぁと思いました。いや、葛を洗うのですら憚られる気さえしました。



 ここ数年、葛を洗いに行っている札幌市内の川も、ここまでとはいきませんが、数年前は今よりもずっと流れが澄んでいて小魚が群れているのがいつも見えていました。それが最近では水は濁り、藻がびっしりと生え、魚も見えなくなりました。それに、たまに変な臭いもするようになりました。

 先日、いつものように葛を洗っていると一人の女性が声をかけてくださいました。聞くと古くからこの川をご存知のようだったので、以前はもっと綺麗な川で魚もたくさんいたと思うのですが、と言ってみると、上流でゴルフのレジャーランドができるにあたって除草剤を大量に使っていた時期に、川はみるみる濁り魚もいなくなってしまったのだと、おっしゃっていました。今ではゴルフランドもないので、除草剤の影響はないが、道路工事が始まっており、その影響で濁っているのではないかということでした。これだけの人口の札幌市ですから、ある程度は仕方がないにしても、もうこれ以上川が汚れないで欲しいなあと思います。

 川の水質が人間の活動の多くの部分を反映しているのだということを改めて考えます。近く、北海道新幹線が山の中を走ります。恐らくは水脈が変わり、この川だってもしかしたら涸れてしまうかもしれません。川を利用している一人として、川の様子にもっともっと敏感になって、自らの活動を顧み、日本中の川が綺麗になっていくことを願って止みません。
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# by watanabeshino | 2015-08-16 14:31 | 制作に関して/雑感 | Comments(6)
今年の葛採りシーズン終了
本日葛採り23回目。
30本くらい。

 残念だけど、今年はこれで葛採り終了。まだ少し粘るつもりでしたが、葛、川、そして室を作るのに必要なススキ、それから天気、それらが一斉にもう終わりですと、まるで私に語りかけているように思える程に、終わりなのです。名残惜しいのですが、仕方がないと、諦めにも似た決心をしました。静岡の方ですと、まだ採れるそうですから、北海道の葛は、やはり秋支度が早いのかもしれません。
 色々理由はありますが、一番の理由は葛の蔓に根が生えてきたこと。花芽をつけても発酵がうまく行けば比較的大丈夫なのですが、根が生えたらもうダメなのです。繊維にたくさん穴が開いてしまうから。それから、繊維も硬く茶色くなってしまうから。

 毎年いつもこの時期に葛採りを終えていた。なんとなく気分的にそうしていただけかと思っていましたが、色々の状況を私なりに感じ取って、もうここまでだと、それなりに判断していたのだなぁと改めて思いました。

 でもやれるだけ頑張りました。

 写真は昨冬のテイネ。あんまり暑いので涼しい写真を。私はずっと「雪」をテーマに帯織っていますが、そのイメージはこんなようなところから来ています。

 あと2回の洗いを終えたら、帯の制作に入ります。あ、それから、昨秋採ったエゾイラクサの糸も作らなきゃ。

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# by watanabeshino | 2015-08-04 19:31 | 葛苧 | Comments(0)



織/葛の糸と葛の布
by 雪草