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麻について
今年のじょじょさんでの展示で印象的だったのは、「葛は麻とはどう違うのですか」「これは麻ですか」といった類の質問をした方が複数人いらっしゃったことでした。

大麻、黄麻、亜麻、苧麻、赤麻

すべて「麻」の漢字があてられているので、とても紛らわしいのですが、これらは全て違う植物で、苧麻と赤麻はイラクサ科という同じグループに属する植物ですが他は科目までも違う、全く別の植物です。もちろん、その繊維の様子や布も違います。

私もそう詳しいわけではなく断片的な認識ではありますが、日本語の変遷上、綿以外の植物繊維を全て「麻」と言ってしまった経緯があるそうで、今や日常生活ではそれらを使い分ける必然性もなく、きっとその言葉の意味は漠然としか存在していない。だから、どうも植物らしい葛の繊維を前にして、自分の中の語彙を辿って探り当てた「麻」、しかし自分の知っている麻とは結びつかない、何だろう?となって、質問してくださったのですね。

言葉が失われるとその背景にある多くのものも失われる。何気なく使う言葉の積み重ねは、結果としてなかなかに恐ろしいものにもなりうるのだなぁと、感じ入ります。

多様なものは多様なままでいて欲しいと願う。

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チビ葛布の壁飾り


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by watanabeshino | 2016-11-26 08:15 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
時を経て尚美しく
この布は、角帯として1年半くらい前に織ったものです。柔らかすぎたので、センチごと切り売りしようかと思っていたのですが、止めました。

というのも、先日のじょじょ展で展示していた際に、「帯として充分使えるわよ、切ってしまうなんてもったいない」と言ってくださった方がおられ、少し自信をつけた私は、展示後、水を通しアイロンをかけましたら、何というか、何とも言えぬ、時を経た分の何かが宿った風で、最初の頃の雰囲気とは違い、固く締まりながらも、何かしっとりと良い感じになっているのです。水を通した事で多少の歪みが出ましたが、それもまた何か良い雰囲気で。これを切って細切れにしてしまうのは確かにもったいない。時を経るごとに風合いが変わり馴染んでくるのは、自然布の特徴でもあります。

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普段に着物を着るようになって、帯は頼りないほど柔らかくても全く問題ないどころかかえってとても楽だということが分かったことも、これはこれで帯として充分活用できると思う気持ちを後押ししました。

柔らかく軽いので、体に全く負担なく、着物を支えてくれます。葛布というと夏のものと思いがちですが、木綿や紬の着物になら、一年中つけても違和感ないようにも思います。

普段の着物にヘビーに使ってもらって、破損したら、直したり葛布の小さな布でアップリケしたりして、長く永く使ってもらえたら嬉しい。

そう考えると、何だかとてもロマンのある布にも見えて来ました。何といいますか、織り上がった時点で既に私の手は離れている感覚があります。葛布のこうした特徴は、葛と絹の良さであり、きっと最初から既に私の作品ではないのです。ゆえに、私は恥ずかしげもなく、まるで他人の作ったもののように、良いものを良いと言っています。

詳細はこちらにあります。
http://kitanokuzu.exblog.jp/22246548/



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by watanabeshino | 2016-11-20 11:57 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
北海道に暮らす青
今年の藍は色が出すぎて濃く染まりすぎて、贅沢にもホトホト困っていたのですが、ちょっとした加減を覚えたこともあり、建ててから4ヶ月が経とうとしている今、やっとこの色が出て来ました。

灰がかった、薄い
雪の影の、雪雲のある空の灰暗い、吹雪の向こうに潜む灰色の、雪国の青。

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私は、色も土地の影響を受けるものと考えています。その土地で取れた色、その土地に暮らす色は、その土地に暮らす人にとって、もっとも心地よい。

藍染の濃い青は確かに綺麗ですが、しかし、私には目に強すぎる。温暖湿潤な土地にはきっと似合う、でも、北海道の土地には、どうもあまり馴染まないのではないかと思います。

奇しくも、先日、北海道に自生していた青の染料になる「エゾタイセイ」も、こんなような薄い青に染まると聞いてやはりと思いました。
また、伊達の蒅を灰汁で建てると、鮮やかな青は出ず、こんなような青しか出なくて、それは、きっとその土地に生きる藍だからこその色なのではないかと思っています。

私は、北海道に暮らす青、北海道に暮らす色を、出していきたいと思っています。

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by watanabeshino | 2016-11-18 08:30 | 制作に関して/雑感 | Comments(4)
小さな手織り布展/じょじょ 終わりました
『木枠の機の 葛の繊維の 小さな手織り布展』
/じょじょ


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昨日、2週間の展示が無事終わりました。
初日から本格的な雪が降り出すほど寒く天候もあまり良くない中、本当にたくさんの方に来て頂き、とても嬉しく、感慨深く思っております。心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

また、昨年より引き続き、こうした場を与えてくださった 玄米ごはんカフェ じょじょさんにも、心から感謝申し上げます。

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搬出前に写真を撮ろうと思っていたのですがすっかり忘れたので、始まる直前でまだ改善余地ありの、あまり良い記録写真ではありませんが、なんとなく雰囲気伝わるでしょうか。

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カレンダー「手稲山暦」は期間中12冊お買い求め頂きました。8割にあたる4800円に、お気持ちと100円多くお金を置いていってくださった方がいらっしゃったのでそれをプラスして、4900円、今日、「訪問と居場所 漂流教室」の口座に寄付金として振り込みました。この場をお借りして、ご報告致します。

毎日一枚ずつ織った小さな布のパネルも完成しました。修業のようでした。

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今後とも、「北の葛布」について、それから、「北海道の植物繊維」について、何かの折に思い出して頂けたり、ふと気にしたり、していただけますと、とても嬉しく思います。
どうぞ末永く、よろしくお願いいたします。
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by watanabeshino | 2016-11-14 18:12 | お知らせ | Comments(0)



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