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時が経っても色褪せず
 着るものも食べるものと同じくらい体に影響するんじゃないかと思っています。ある特定の場所で買った特定の服を着ていると決まって具合が悪くなるという経験を自分自身が重ねたうえに、各方面からの衣服に関するそうした声を聞くにつれ、そう思うようになりました。だからといって、盲目的に、自然素材だから手作りだから大丈夫、石油由来だから工業製品だからダメ、という話では全然ありません。多分何にしても良いものは良い。質の良いものはそこに内在しているダメなものをも上回る機能を持ち合わせているのでプラスマイナスでプラスがはるかに多いということであるかもしれないし、素材の持つ性質に対する用途の違いゆえかもしれない。それは自然素材も化学繊維も同じです。

 手元にある冬用のアウターウェアが今年で使用5年目くらいになりました。2年くらい洗っていなくてあまりに汚かったので先日専用の洗剤で洗い、撥水スプレーかけました。新品の頃よりはもちろん機能的には劣化してきていますが、愛着も含めていい味出ています。

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 「時が経っても色褪せず、むしろより輝きが増す」というのはかねてからの私のもの選びの基準、ものづくりの基準、なのですが、山用ウェアもその機能もさることながら年月を経ても良い味出す、さすがやはり良いものは良いのだなと、5年目にして思います。中にはウールや麻などの素材を組み合わせてあるものもありますが、ほとんどは化学繊維です。でももちろん着ていて具合が悪くなるということはありませんし、むしろ山ではこれでなければいけません。しかし、山へ行く時の服装なので、ただ単に気持ちがルンルンしていて具合の悪いのを寄せ付けないということもあるかもしれません。そういう意味でも、衣服の素材の性質と用途というのは重要な要素だと思います。

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by watanabeshino | 2016-03-11 14:07 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
葛の糸の斑、色の違い
 私の織る葛の布の途中には、色の違うところがあります。写真、分かるでしょうか。
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 ちょっと黒っぽく斑点または点のようになっている、または、少し色味の違う部分がある。これは葛の発酵の仕方と洗いの状態によってそうなってしまう場合もあるのですが、虫が葛の茎からエキスを吸った跡の場合もありますし、元々の葛の繊維の色の違いの場合もあります。目立つ部分は切り落とし使わないようにしていますが、ただ、見た目に悪いからといって簡単に切り捨てるのも痛ましく、機能的に劣りさえしなければ、出来るだけ使ってやりたいとも思います。例えば、帯なら、表に出ない部分に。または、木枠の機の小さな布に。
 ダメだから捨てる、ではなく、ダメにしない。
 しかしそれは蔓を選び繊維を取り出す段から始まっていて、そういう繊維になったのは私の責任でもあるのですが、それは次への課題とし、出来てしまったものはダメだからと簡単に捨てず最後まで使ってやりたいと思います。

 以前にも書いたことがありますが(「色について」)、素材も色も、あらかじめこちらの意図したものをどうにかして出そうと考えるのではなく、出来たもの、出たものを、活かしたいと考えています。限りあるものの中で最大の努力をする、それが素材にも自分にも無理がなく、結果、使う人にとってもきっと心地の良いものになるのではないかと思います。

 しかし、まぁ、こういう、意図的に意図しない、みたいなのが好きというだけのことかもしれません。

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by watanabeshino | 2016-03-08 11:02 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)



織/葛の糸と葛の布
by 雪草