カテゴリ:制作に関して/雑感( 25 )
藍・灰汁発酵建て
藍染めの講習を受けている。札幌市北区の、何と区民センターの敷地内にある藍染工房で。教えてくれるのは篠路天然藍染振興会のみなさん。灰汁発酵建てによる藍染めをこんなに近所で習うことができるなんて何てラッキーな。しかも、建て方だけかと思っていたら、板締め、絞り、ろうけつ、型染め、といった一通りの染め方も教わることができる。全10回。やっぱり、どんなに資料を読みあさったって、我流でやるのとは大違い。昨年私がえらく時間をかけてやっと出した「消えない泡」が、講習2回目・藍の仕込みの第一段階の今日ですでにタップリしっかり出ていたから驚いた。熟練した方たちがこんなに身近にいらっしゃったとは、なんとも素晴らしいことです。しかし建物老朽化により取り壊しだけが決まっていて、藍染工房の行き先は決まっていないのだそう。そういうことにはお金でも場所でも建物でもいいので提供してください札幌市(北区?)。藍は北海道とも札幌市とも大変所縁のある植物です。
 北海道の、新しい染織文化の礎が各地に散らばっていると感じる昨今、移動さえクリアできれば、北海道を出ずとも染織に関する一通りの技術を学ぶことは既に可能なのかもしれない。


 写真は型染め用に切った型紙。招き猫と打出の小槌。商売繁盛!楽しみだ。

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by watanabeshino | 2015-06-05 15:50 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
妥協しない小さな事の積み重ね
糸のボコボコも相まって白が雪のように見えます。街が真っ白になる前の、初冬のイメージ。特にテーマは考えてなかったけど、これもウパシ(upas/雪)と言える。

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 やっていてつくづく思うのは、私は織りながら絵を描いているのだな、ということです。経糸で彩った大きな画用紙に、下から少しずつ色を重ねて置いていっているのです。結果、失敗することもありますが、何度もやって、その感覚を洗練させればいいんだろうと、開き直っています。だってどんなに頑張っても出来ないから。あらかじめ決めた通りに織るということが。

 ひとつひとつ、妥協しないで取り組んだものであるならば、その積み重ねとしての全体は、そうおかしな事にはならない。 無理しないのが何よりです。
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by watanabeshino | 2015-05-08 10:27 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
当たり前に
手作業、自然素材、地元産、などという事に、必要以上にドラマや意味を求めるのは好きではありません。それらに特別な感情や意味を持たせたい背景にはそれらが既に当たり前のものでは無くなってしまっているという現実が見えるからなのかもしれません。もっと当たり前に考えている。当たり前だから、あえて言う必要もないだろう、と思いたいけど、こんな事を書いている時点でもはや私の中でも当たり前ではないのかもしれない。
 自分の身の回りのもので完結する、最初から最後までこの目で見て確かめる事ができるのが私は好きだからこういうことを多分自然とやるようになったわけで、だから、同じように身近な物で身近なものを生産している人達を私は応援したくて、なるべくそういうものを買ったり使ったりしている訳で、そこにはやはりそれ以上の特別な感情はないのです。

 ちょっと話がズレますが、ですから、手作業だからいいでしょう、自然素材だからいいでしょう、草木で染めているんだからいいでしょう、とはなりません。機械で手作業のものよりも素晴らしいものができるならそちらを選ぶし、自然素材じゃなくても機能的で素晴らしいものがあるなら断然それを選びます。自然のもの=良いもの、という自動的な思考は変だと思います。大量消費を狙った大量生産によるコストダウン、みたいな生産の流れはそろそろもう終わりにしたらいいと思うけれど、最新の技術だからできることと手作業でなければできないこと、最新の素材の特長と自然素材の特長。結局は人の好き好きと用途の問題ですから、うまく使い分ければいい。

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by watanabeshino | 2015-04-19 11:58 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
藍建てについて
諦めていた藍が建ってきた。伊達のすくもに、うちの薪ストーブの灰(しかも1年もの)で作った灰汁と日本酒、それにちょっとだけ消石灰。

仕込んだのが8月12日。実にまる2ヶ月。よくもまぁ毎日飽きもせず撹拌していたもんだ、我ながら、と書きたい所だが、ここのところ少しさぼっていた。定説では「藍が建つまでは一日4~5回撹拌」「建ってからは朝晩の2回」ということらしいので、最初の頃は一日4~5回、そりゃ頑張った。
しかし、日々の様子は微妙に違えど大きな差はなく、ましてや青くなんて全然ならなかった。次第に回数が減り、近頃は1日1回、それでも1日1回はさぼらずにやっていたが、そろそろもうダメか、しかし中で生きている藍の胞子を想うと、踏ん切りがつかなかった。

でももう冬になるし、申し訳ないけど化学建てで藍を無理矢理出してしまおうか、と思っていた矢先、「ヤメて~それだけはヤメて~ここまで頑張ったんだから最後まで面倒見て~」と言わんばかりに、青い色が出て来たのです。匂いも変わって来た。泡の様子も違って来た。木綿の布を染めてみると微かに青い。
室温20℃前後、すくもの量250g、灰汁の量5リットルでも2ヶ月経て藍は建ちました。



「藍建てには25~30℃の温度が必要」「毎日朝晩の撹拌」「発酵させる為のある程度まとまった量」
私の調べた範囲では、これらは藍を建てる時の一般的な方法のようです。
でも今回はこれのどれにも当てはまりませんが、藍は建ちました。

よって、上の「定説」は、あくまでも「人間」の「都合の良いように」藍を建てるための方法のうちの「ひとつ」であって、そうあらねばならないと言う訳ではないのかもしれないというのが今回の私の結論です。だって一つの藍甕が建つのに2ヶ月もかかっていたり、いつ建つのか分からなかったり、していたら、大抵の場合は商売になりません。「効率よく」「予定が立ちやすいように」試行錯誤した結果が、上記の「定説」なのだろうと思います。なので、それ自体は脈々と受け継がれてきた大変価値のあるもので、私などがどうこう言えるものでもない。

でも、「生き物」は、置かれた環境に適応していく能力があると私は思っています。いや、思っている、というより信じている、と言った方が近いかな。北海道の地、「気温が低い」「湿度が低い」そして私の都合で「量が少ない」そうした環境の中で、藍は、恐らく、ゆっくりゆっくり体を適応させながら、発酵を進めていた。私は、他の腐敗菌などがあまり猛威を振るわないように、石灰を足したり、お酒を足したり、かき混ぜたり、なるべく私の都合の良いように発酵してもらおうと努力した。その二つの力が合わさって、青の色が出て来たのではないか。

ぬか漬けは冷蔵庫に入れた場合、発酵のスピードが遅いのであまりかき混ぜる必要がないのだそうだ。実際その事を知ってから大変美味しいぬか漬けが出来るようになった。藍もきっと同じなのかもしれない。あまり撹拌せずにいた方が、発酵は進みやすかったのかもしれない。

結論
・温度が低ければ時間が必要
・焦らずじっと待つ
・そしてこの後、発酵した藍を持続させるにはどうしたら良いのか分からない。

(2014年10月10日記:ブログ移行につき転載)

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今年は習いに行こうと思います。


(後日談)
毎年夏に藍を建て、各方面の方々のご意見や実践を少しばかり知った後に分かったのは、この時に藍が建ったようになったのは藍自体の作用による「発酵」ではなく、藍樽に加えた「日本酒」や「水飴」の作用で「還元」が起こったために、青い色が出た、ということのようです。ですから正確には「発酵建て」ではなく、灰汁のアルカリと日本酒と水飴による還元建て、となるかもしれません。この場合は、染めた直後〜1年くらいは色移りがしやすいですが、数年経つと落ち着き、色移りはしなくなります。
(2016年夏 記)

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by watanabeshino | 2015-04-07 10:11 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
色について
色が好きです。植物による染めをやっているのもきっとその色味が好きだからだと思います。しかしその根底にあるのは、「出た色を活かす」であって、「出したい色を出す」ではないということを、常々考えています。いえ、その前に、その色味が好きだからと植物による染めにこだわっている点では「出したい色を出す」でもあるのかもしれません。しかしそもそも植物相手に自分の出したい色を出そうと思うのが随分とおこがましいというか、それはそもそも無理だろう、植物や糸に対しても随分と無理がかかってしまうだろう、と思うのです。植物から色を取り出す、その過程に妥協せずに出た色ならば、私はそれこそが素晴らしいと思うのです。そうして、そのような過程を踏んで出た色を、最大限に活かす。そのための努力を怠らない。

 ところで、私は、「出したい色にこだわって出す」ことと「出た色を生かすことにこだわる」ことの優劣とか正誤などを問うている訳ではありません。自分が何を根拠に何を選択して何をやっているか、自分で分かっているかどうかということです。「自分の納得に妥協しないでものづくりをする」という点にこだわることさえ放棄しないならば、全て結局は同じことだと思います。

「キナ(kina/草)」 角帯地
緯:葛  経:絹生糸
染:ふきのとう、蓬、玉葱皮

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by watanabeshino | 2015-04-03 10:28 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)



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