カテゴリ:制作に関して/雑感( 24 )
川を想う
積丹半島某所で川に寄ってきました。これまて見た事のない、信じがたい程に綺麗な川でした。

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 まるで陸のように石が鮮明に見えます。ここは水の流れがあまりないところなのですが、それでも淀まず。

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 こんなところで葛を洗ってみたいなぁと思いました。いや、葛を洗うのですら憚られる気さえしました。



 ここ数年、葛を洗いに行っている札幌市内の川も、ここまでとはいきませんが、数年前は今よりもずっと流れが澄んでいて小魚が群れているのがいつも見えていました。それが最近では水は濁り、藻がびっしりと生え、魚も見えなくなりました。それに、たまに変な臭いもするようになりました。

 先日、いつものように葛を洗っていると一人の女性が声をかけてくださいました。聞くと古くからこの川をご存知のようだったので、以前はもっと綺麗な川で魚もたくさんいたと思うのですが、と言ってみると、上流でゴルフのレジャーランドができるにあたって除草剤を大量に使っていた時期に、川はみるみる濁り魚もいなくなってしまったのだと、おっしゃっていました。今ではゴルフランドもないので、除草剤の影響はないが、道路工事が始まっており、その影響で濁っているのではないかということでした。これだけの人口の札幌市ですから、ある程度は仕方がないにしても、もうこれ以上川が汚れないで欲しいなあと思います。

 川の水質が人間の活動の多くの部分を反映しているのだということを改めて考えます。近く、北海道新幹線が山の中を走ります。恐らくは水脈が変わり、この川だってもしかしたら涸れてしまうかもしれません。川を利用している一人として、川の様子にもっともっと敏感になって、自らの活動を顧み、日本中の川が綺麗になっていくことを願って止みません。
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by watanabeshino | 2015-08-16 14:31 | 制作に関して/雑感 | Comments(6)
藍・灰汁発酵建て
藍染めの講習を受けている。札幌市北区の、何と区民センターの敷地内にある藍染工房で。教えてくれるのは篠路天然藍染振興会のみなさん。灰汁発酵建てによる藍染めをこんなに近所で習うことができるなんて何てラッキーな。しかも、建て方だけかと思っていたら、板締め、絞り、ろうけつ、型染め、といった一通りの染め方も教わることができる。全10回。やっぱり、どんなに資料を読みあさったって、我流でやるのとは大違い。昨年私がえらく時間をかけてやっと出した「消えない泡」が、講習2回目・藍の仕込みの第一段階の今日ですでにタップリしっかり出ていたから驚いた。熟練した方たちがこんなに身近にいらっしゃったとは、なんとも素晴らしいことです。しかし建物老朽化により取り壊しだけが決まっていて、藍染工房の行き先は決まっていないのだそう。そういうことにはお金でも場所でも建物でもいいので提供してください札幌市(北区?)。藍は北海道とも札幌市とも大変所縁のある植物です。
 北海道の、新しい染織文化の礎が各地に散らばっていると感じる昨今、移動さえクリアできれば、北海道を出ずとも染織に関する一通りの技術を学ぶことは既に可能なのかもしれない。


 写真は型染め用に切った型紙。招き猫と打出の小槌。商売繁盛!楽しみだ。

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by watanabeshino | 2015-06-05 15:50 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
当たり前に
手作業、自然素材、地元産、などという事に、必要以上にドラマや意味を求めるのは好きではありません。それらに特別な感情や意味を持たせたい背景にはそれらが既に当たり前のものでは無くなってしまっているという現実が見えるからなのかもしれません。もっと当たり前に考えている。当たり前だから、あえて言う必要もないだろう、と思いたいけど、こんな事を書いている時点でもはや私の中でも当たり前ではないのかもしれない。
 自分の身の回りのもので完結する、最初から最後までこの目で見て確かめる事ができるのが私は好きだからこういうことを多分自然とやるようになったわけで、だから、同じように身近な物で身近なものを生産している人達を私は応援したくて、なるべくそういうものを買ったり使ったりしている訳で、そこにはやはりそれ以上の特別な感情はないのです。

 ちょっと話がズレますが、ですから、手作業だからいいでしょう、自然素材だからいいでしょう、草木で染めているんだからいいでしょう、とはなりません。機械で手作業のものよりも素晴らしいものができるならそちらを選ぶし、自然素材じゃなくても機能的で素晴らしいものがあるなら断然それを選びます。自然のもの=良いもの、という自動的な思考は変だと思います。大量消費を狙った大量生産によるコストダウン、みたいな生産の流れはそろそろもう終わりにしたらいいと思うけれど、最新の技術だからできることと手作業でなければできないこと、最新の素材の特長と自然素材の特長。結局は人の好き好きと用途の問題ですから、うまく使い分ければいい。

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by watanabeshino | 2015-04-19 11:58 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
色について
色が好きです。植物による染めをやっているのもきっとその色味が好きだからだと思います。しかしその根底にあるのは、「出た色を活かす」であって、「出したい色を出す」ではないということを、常々考えています。いえ、その前に、その色味が好きだからと植物による染めにこだわっている点では「出したい色を出す」でもあるのかもしれません。しかしそもそも植物相手に自分の出したい色を出そうと思うのが随分とおこがましいというか、それはそもそも無理だろう、植物や糸に対しても随分と無理がかかってしまうだろう、と思うのです。植物から色を取り出す、その過程に妥協せずに出た色ならば、私はそれこそが素晴らしいと思うのです。そうして、そのような過程を踏んで出た色を、最大限に活かす。そのための努力を怠らない。

 ところで、私は、「出したい色にこだわって出す」ことと「出た色を生かすことにこだわる」ことの優劣とか正誤などを問うている訳ではありません。自分が何を根拠に何を選択して何をやっているか、自分で分かっているかどうかということです。「自分の納得に妥協しないでものづくりをする」という点にこだわることさえ放棄しないならば、全て結局は同じことだと思います。

「キナ(kina/草)」 角帯地
緯:葛  経:絹生糸
染:ふきのとう、蓬、玉葱皮

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by watanabeshino | 2015-04-03 10:28 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)



織/葛の糸と葛の布
by 雪草