麻について
今年のじょじょさんでの展示で印象的だったのは、「葛は麻とはどう違うのですか」「これは麻ですか」といった類の質問をした方が複数人いらっしゃったことでした。

大麻、黄麻、亜麻、苧麻、赤麻

すべて「麻」の漢字があてられているので、とても紛らわしいのですが、これらは全て違う植物で、苧麻と赤麻はイラクサ科という同じグループに属する植物ですが他は科目までも違う、全く別の植物です。もちろん、その繊維の様子や布も違います。

私もそう詳しいわけではなく断片的な認識ではありますが、日本語の変遷上、綿以外の植物繊維を全て「麻」と言ってしまった経緯があるそうで、今や日常生活ではそれらを使い分ける必然性もなく、きっとその言葉の意味は漠然としか存在していない。だから、どうも植物らしい葛の繊維を前にして、自分の中の語彙を辿って探り当てた「麻」、しかし自分の知っている麻とは結びつかない、何だろう?となって、質問してくださったのですね。

言葉が失われるとその背景にある多くのものも失われる。何気なく使う言葉の積み重ねは、結果としてなかなかに恐ろしいものにもなりうるのだなぁと、感じ入ります。

多様なものは多様なままでいて欲しいと願う。

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チビ葛布の壁飾り


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by watanabeshino | 2016-11-26 08:15 | 制作に関して/雑感 | Comments(0)
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織/葛の糸と葛の布
by 雪草